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◎ブラックプールに見る夢は。

   2012年春、阪大FISMコンテスタントに訊く



2012年3月、大阪某所――――――
ブラックプールで開催されるFISM2012本大会まで、あと4ヶ月余り。
阪大奇術研から世界的コンテストに出場する2人は今、何を思い、その先に何を見つめているのか。
2人にお集まりいただき、本大会への展望を始めとして、様々なお話を伺いました。


【INDEX】

¶ 超魅了の調味料

――では、本日はよろしくお願いします。


 よろしくお願いします。

山本
 よろしくお願いします。
 早速なんですが、これ、宣伝していただきたく・・・。


※クリックで拡大。

――ん? マジックソルト?

山本
 はい。関西の奇術研OBの有志を募って、ステージマジックをやろうと。
 関東のKSMC(関東ステージマジックサークル)のようなものにしたいんです。
 それで、5/12(土)に第1回発表会をやってみようかと。

――どなたが出演するんですか?

山本
 今回は僕と、小渡君(※47期 小渡晃平さん、39回ウォンド演者)と、
 菊池君(※48期 菊池圭祐さん、40回スケッチブック演者)と、
 西さん(※46期 西博將さん、38回ダイス演者)。あと、境君も・・・


 僕は誘われてるけど、まだ出るかどうか決めてません。

山本
 今のところ、全部で9人くらいですね。ちょっと演者少ないんですけど。
 阪大のほかは、京大、関大、同志社から出てくれます。
 ということで、OB会ホームページでぜひ宣伝を(笑)。

――分かりました(笑)。まだ誰も知りませんよね。

山本
 まだ全然知られてませんね。宣伝しないと、観客数がやばいことに・・・(笑)。

――ホームページも、もうあるんですね。

※マジックソルトのHPはこちら。
 4月1日より前売券が購入でき、前売券では指定席になります。詳細はHPへどうぞ)

山本
 一応あります。西さんに作ってもらって。で、小渡君が代表です。
 とりあえずホールを押さえてから、団体を作る、という(笑)。

――順番おかしくないですか(笑)。でもそういうのって、どっかに期限設けないと進まないですしね。
  マジックソルトっていう名前は・・・

山本
 調味料って意味ですけど、「超魅了」とかけてます。

――「夢奇房」的な・・・(笑)。よく考えるなあ。


 今回はみんな、アンタイ(※まじっく☆うえぽんの公演、Untitled Concert)出場経験者だよね。

山本
 うん。だから、メンツは結構凄い。
 とにかくOBになってもステージをしたい!って人が集まってます。
 どうなるかわかりませんが、是非見に来ていただきたいですね。


¶ FISMコンテスタントとして

――このマジックソルトで山本さんは、FISMアクトを?

山本
 それまでに何とかアクトを完成させて、そこで試しにやってみようと思ってます。
 それから、昨年グランプリを獲った「日本海マジックフェスティバル」で
 ゲストとして呼ばれてるのでそこで演じて、
 あとは・・・OB会で企画していただいている壮行会での演技も合わせて、
 本番までに3回人前で演じられればいいかなと。

――3回できれば、いろいろと安心ですよね。

山本
 そうですね。でも、境さんは、あんまり人前でやる機会がないね。


 マジックソルトはまだ出るかどうか未定です。
 FISM本番はグランドシアターでプロジェクターを使ってやるので、それっぽくできるといいんですが。
 それから、6/17(日)に、Yuji村上さんのイベントに呼んでいただいてます。
 あとは、壮行会があればそこで、といったところですかね。

――FISMコンテスタントとしての知名度アップはこれからですね。


 そうですね。まだ知名度ないんで。

――ただ、OB会ホームページのアクセス解析を見ると、
  「山本洋史」とか「境一樹」で検索してる人は既にかなり多いですよ。

山本
 へえー!


 どっかのバスケ部に僕と同姓同名の人がいるらしく、そっちが結構ヒットしてました(笑)。

――バスケやってるのかと思われちゃいますね(笑)。

山本
 FISM ASIAの結果を業界人が見ても、
 丸山真一さん(※FISM ASIAクロースアップカード部門1位)は分かるとして、境一樹って誰?ってなる。


 なるなる(笑)。

――丸山さんは既に有名ですからね。


¶ 3月中に大きく変える



――山本さんのルーティンは、発表会以降変わってるんですか?

山本
 変わってないといえば変わってないんですが・・・絵のイラストを変えたので見た目はだいぶ変わっていると思います。
 手順は、発表会から地味チェンをいろいろ加えて、最後にちょっと現象を増やした形で、SAMに出ました。

――オリジナル版で既に、だいぶ行けそうだと思いましたけどね。

山本
 いや、オリジナル版では多分、きつかったですね。
 で、全体を3月中に、がらっと変えます。

――え、今月中に?

山本
 はい。

――練習は普段、どこで?

山本
 基本自宅です。時々現役がやってる練習室も迷惑にならない程度に借りています。

――誰かに見てもらってます?

山本
 いやあ・・・見てもらってはないですね。というかあまり進んでない(笑)。焦ってます。

――山本さんは、師匠はどなたでしたっけ。

山本
 直属は原田さん(※45期 原田祐輔さん、37回カード演者)です。
 ただ原田さんは当時海外に行かれてたんで、カード族としては福田さん(※44期 福田庸太さん、36回カード演者)と、
 師匠という意味では若松さん(※46期 若松孝圭さん、38回ダンケン演者)にも見てもらってました。

――今4回生ですよね。M1の夏に出場ということは・・・
  院試も就活も修論もなく、偶然にも一番いい時期ですよね。


 もう、ここしかないというか(笑)。

――社会人になると・・・時間がないことはないけど、やっぱ学生ほどはないし。


 社会人の方は、FISMもフルで参加するのは厳しいみたいですね。
 自分のコンテストの時だけ、休みをとって行く形で。
 社会人組は開会式は来れなくて、リハーサルにぎりぎり間に合うように来られるようです。

――お二人は、最初から参加?


 ええ、もちろん。リハーサルの前々日くらいから。飛行機ももう仮押さえしてます。


¶ 27時間耐久ビデオ撮影



――境さんのクロースアップのほうは私はまだ見たことがないんですが、カードですよね。


 カード部門です。僕の演技を知ってるのは、日本でたぶん50人くらい・・・。
 ジャパンカップは結局体調不良で出なかったので。
 さよなら公演(※3月の部内イベント)で1回やったのと、あとR.R.M.C.という集まりで。

――R.R.M.C.というのは?


 Red River Magician's Clubといって、駅前ビルの喫茶店に集まって手品をやるんですけど、
 益田克也さんとか岸本道明さんとか、深井洋正さんとか著名な方が参加されてます。
 福田さんも参加されてますね。

――いつから入ってるんですか?


 入ってるというか、FISM ASIA後に福田さんに誘われて行ってます。
 でもま、それくらいなので、僕の手品は全然知られてません。

――手品は、大学に入る前から?


 浪人の時に始めたんで、今5年目ですね。

――境さんの浪人時代というと、2007年くらい? マジックブームが終わろうとしてる頃ですかね。


 そうですね、ただ僕はテレビ全然見ないので、世間のブームは知らなくて、
 ただ発作的に始めた感じなんですけど。

――(山本さんに)やっぱり、境さんのクロースアップは凄いんですか?

山本
 凄いですよ。
 何が凄いって、まず、今回のFISM ASIAの選考会に出そうと思い立ったのが締め切りの1ヶ月前(笑)。


 (笑)

――そりゃ凄い(笑)。それは、ビデオで?


 はい、それから手順考えて・・・。締切は10月半ばでしたね。

――山本さんはそのとき既にFISM出場を決めてましたよね。

山本
 はい。僕はウハウハしてました(笑)。


 で、9月中旬に、選考送るのはタダなんだと知って、タダなら送っちゃえと(笑)。
 そしたら、ぎりぎり5位で通過して。上から5人だけFISM ASIAに出れるんです。
 で、やべーやべーと思って、行ったんですけど。

  ――手順は、どんな?


 手順は実は2部構成になってて、
 前半は、福田さんが発表されている作品のバリエーション手順です。
 後半は1回生のときのクロースアップ発表会でやったネタなんです。
 それを何年かかけて手直ししてバージョンアップして。

山本
 ビデオ撮影から選考会までの1ヶ月の進化ぶりが半端なかった。

――ビデオと選考会は、同じ事を?


 はい、大体同じ事を。でも、ギミックは全部新しくしました。
 いかんせん出るのが初めてなので、緊張すると思って、
 あまり技法を入れると失敗するので、極力自分の負担が減るように工夫しました。

――緊張しました?


 はい、でも喋り始めたら後はもういい感じに。
 でも、英語だったんで、山根君(※48期 山根準さん、40回ハト演者)にセリフ作るのを手伝ってもらったりして。

山本
 彼は帰国子女なんです。


 選考のビデオには山本君に客役で出てもらったりして、結構みんなに協力してもらってます。

――客役は山本さんだけ?


 結局山本君のを出したんですけど、前日とかにはいろんな人にやってもらいました。
 菊池君、西さん、あと今の1回生の寒河君(50期)と、上田君(50期)です。
 あと、松本っていう学科の友達。彼は奇術研じゃないんですけど、手品を教えてた時期があって・・・。

――どこで撮影したんですか?


 理学部の3階の教室です(笑)。
 27時間くらいかかりました。

――え? 27時間!?


 ずーっと撮り続けです。2日に分けましたけど。
 その中で2回しか手順が成功しなくて・・・。

――それで、よく・・・


 なので、本番は全部作り替えて、必ず成功する手順にしたんです。
 前のギミックの仕組みが悪かったんですけど、すぐに改案を思いつけたので。

――手順は、ストーリーのようなものはあるんですか?


 ストーリーというか、1つのテーマを題材にした手順になってますね。起承転結はあります。
 審査は、技術点と不思議さと観客の反応とか立ち振る舞いとかが見られます。
 実際のスコアはどんなもんだったか分からないですけど。
 ただ、今回はそもそもカードが少なかったというのが結構大きかったですね。部門ごとに、上から3人選ばれるので。

――部門はいくつあるんですか?


 カードと、マイクロ(※カード以外の物をメインに使う部門)と、パーラーで3つですね。

――本番も、同じ感じの手順で?


 そうですね。付け足しはありますけど。


¶ 二人にとっての大きな存在

――クロースアップは独学で?


 そうですね、師匠がいたわけではないんですが、
 僕は福田さんと接する機会が多くて・・・今、実は研究室も隣なんですけど。

――吸収できるものがある人が近くにいるのは、良いことですよね。


 はい。1年生の頃から福田さんや田中さん(※44期 田中大貴さん:36回ゾンビ演者)を見ていたので、
 そのへんが礎になっているおかげで、今回出場できたと思ってます。

山本
 福田さんと田中さんの存在は大きいね。


 大きい。
 まず技術や理論は福田さんから学んで・・・。

――田中さんは?


 田中さんは・・・

山本
 金銭面(笑)。


 (笑)

山本
 それは半分冗談で・・・ギミック関係はかなり力を貸していただきました。
 実は現役時代の僕の絵の色が変わる仕掛けは全部田中さんが考えて作ってくれたものなんです。
 その後も、それを元に改造しているので。


 田中さんからも結構、理論を学んでます。あと、やはりギミックの相談とか。
 ギミックはもともと僕は作るのは結構得意な方なんですが、
 自分で考えた仕組みがいけるかどうかを、田中さんに相談したりしました。

――田中さんは、現役時代にも燃えるゾンビとかやってますけど、
  あれも普通はなかなか作れないですしね。

山本
 僕は、福田さんと田中さんと、あと、
 古川さん(※13期 古川令さん:FISM2000にカードマニピュレーションで出場)がいらっしゃらなければおそらく無理でしたね。
 やはり古川さんの理論が根幹にありますし、
 最初にカードマニピュレーションの「本質」を知ることができたのは本当に大きいです。
 現役の頃には古川さんとお会いする機会もなかったので、それを福田さん伝いに教えていただいたりして。


 そうそう、あと僕は、ビデオ撮影のときに、菊池君に一言もらったアドバイスで手順ががらっと変わって。
 いや、やってることは同じなんですけど、見せ方の順番とかを変えて・・・
 結局、6位と4点差で5位に滑り込んだんですけど、あの一言はその4点分は優にあるかな、と。

――いい話ですね。絶対書きます(笑)。


 山本さんは、なんでコンテストに出ようと思ったの?

山本
 結構周りから盛り上げられましたしね。加藤陽さん(※FISM2009コンテスタント、マニピュレーション部門1位)のこともありましたし。
 発表会(第39回学外、2009年)に出た12月の終わりの時点でFISM出場を目標に決めていました。
 それで試しに出た大会(※第5回四国マジックコンベンション)でいきなり優勝してしまったんで、
 鼻が高くなっちゃったというか(笑)。


 でも山本君がそういうのに出るようになって、他の人、小渡君とかも出たりして。

――そういえば、菊池さんなんかも。


 確か、小渡君が菊池を誘ったんです。
 で、菊池が受賞(※第12回ICMコンベンション)して・・・菊池って僕の(スケッチブックの演技の)弟子じゃないですか。
 弟子が賞とって、あっやばい!と思って(笑)。僕も何かしなければと・・・。
 これで負けたら立場がなかったんですけど、何とか行けて良かったです。


¶ 強敵は韓国・中国・スペイン勢

――結局、ステージで本戦に出場する日本人は・・・


 日本は、鈴木千慧さんと、小林大さんですね。

山本
 FISM ASIAのステージは、全部門の1〜3位を、韓国勢と中国勢が占めました。

――やはり、韓国・中国は、レベルも高いと。

山本
 高いですよ。えげつないくらい・・・。
 FISM ASIAにコンテスタントとして出てくる韓国勢なんかは、もう「スター」揃いです。
 僕はあちこちのコンテストで見ていてわりと知ってるんですけど、
 世界中のガラショーなんかに呼ばれる人がずらーっと名を連ねてる感じで。


 フランスのテレビ番組なんかによく呼ばれてる人たちですね。

――その方々は、ここ3〜4年で一気に出てきた人たち?

山本
 そうですね、ここ3〜4年ですね。


 みんな二十歳くらいです。

山本
 ちょうど、韓国マジック大学の卒業生たちが世界に羽ばたきはじめた時期なんですよ。
 マジック大学にとって全盛期のような大会ですね、今年のFISMは。

――とんでもない年に出ることになっちゃいましたね(笑)。

山本
 とんでもないですよ、ホント・・・。


 やっぱ、彼らはマニピュレーションが凄いんですよ。
 大雑把な演技ではなく、細部にこだわりを感じる演技になってます。
 出しかたや消しかたにしっかりこだわって、魅せるという。

――クロースアップも韓国勢は強いんですか?


 カード部門のグランプリは韓国の方で、パーラー部門がフィリピンかな。
 クロースアップも、やはり中国・韓国勢が強かったですね。
 FISM ASIAは会場が香港だったんで、韓国・中国勢は知名度もあって、出ただけでワーッてなって。
 会場内に日本人の客は5人とかでしたしね・・・。

――それも身内ですよね。


 身内です(笑)。クロースアップはあと欧州勢も強いらしいんで、厳しそうだなあと・・・。

山本
 クロースアップはやっぱり、スペインが強い。
 SAMのクロースアップのグランプリもパーラー部門のスペインの方でした。
 カードも、1位はスペイン。


 世界的に見て、今スペインが熱い。
 タマリッツ(※ホアン・タマリッツ(1942-):スペインのプロマジシャン)の系譜を汲むマジシャンたちが。


¶ オペラハウスで演じられるだけでも夢のよう




 今回の日本人出場者は僕らを入れて5名ですけど、
 やっぱりアジア大陸枠になったんで、出場者は減ってますね。

山本
 前回(FISM2009)は、ステージだけで日本人が5人出場したし、
 クロースアップ入れると12人もいた。そこからするとだいぶ減ったなと。
 今回から日本選考会から出ることができなくなったし・・・


 でも、そのおかげで僕は出られたようなもんです。

山本
 日本選考会で出られなくなったのは、日本のマジック界にとっては良かったかもしれないです。
 よその国はSAMとか国際大会に出ないと出場権がもらえなかったのに、
 何故か日本だけ国内選考会があって、今回はFISM本部がそれを禁止にしたので、純粋に実力勝負になったわけで。

――しかし、イギリスで舞台に立つなんてのも、そうそうできない経験ですよね。


 FISM ASIAなんかは、公民館のでかいのを1箇所借りてるだけだったんですけど、
 本大会は、会場が3箇所。オペラハウスとシアターと会館のような所で。
 クロースアップはシアターで、ステージはオペラハウスですね。
 オペラハウスは、ものすごく豪華で歴史ある建物みたいですね。

山本
 もう、そこでできるだけでも満足(笑)。夢みたい。


 クロースアップのシアターもすごく大きくて、プロジェクターで映して・・・
 クロースアップの本質とは違う気もしますけどね(笑)。

――それにしても、ダイジェストでもいいから、NHKで放送してくれれば・・・


 そうですねー。DVDは配られるらしいんですけど・・・

山本
 中国(※FISM2009 北京大会)のときも配られたのかな。


 中国のは、YouTubeに流れすぎたからもう作らなかったらしい(笑)。

山本
 そうなんや。


 映像は何かの形で残して欲しいですね。
 FISM ASIAも撮られてはいるんですけど、どこでどう使われるか全く知らされてないです。

――加藤陽さんは何回かテレビに出てますけど、
  山本さんたちもいずれ・・・

山本
 本戦でそれなりの成績を残さないと厳しいでしょうね。


 何とか入賞はしたいね。

山本
 入賞なあ。それぞれの部門の1〜3位は入賞だけど、
 ある程度得点取ってないと順位的に3位でも入賞できないんです。
 ことしは全体的にポイントが高いから、大変です。
 あー、ユ・ホジンに勝ちたい・・・。ユ・ホジンに勝ったら、グランプリ(笑)。


 確かに(笑)。今、アジアのステージで1番強いのがユ・ホジンという韓国の20歳のマジシャンです。

山本
 フルじゃないけどYouTubeに映像あります。カードマニピュレーション演者です。

――やっぱり凄いんですか。


 凄い。綺麗な演技をします。

山本
 前大会で話題となったアン・ハーリム(※韓国のプロマジシャン)と対極をなす演技です。
 (境さんに)週刊スペルバウンド(※フレンチドロップのメルマガ)見た? ユ・ホジンのことが書いてあったよ。
 ブラックプールでつい先日マジックの大会があったんやけど、
 そのオープニング・ガラショーに出てきたのが、8人全員韓国人。


 マジで!?

山本
 その8人がブラックプールの夜を埋め尽くしてた、って書いてあった。
 その中でユ・ホジンがあまりにも観客にウケてたから、
 その次のガラショーの大トリに急遽出ることになった。
 同じ事をもう1回やったんやけど、それでもスタンディング・オベーション。


 そうなるよなー。

――韓国のマジシャンはもうアジアどころか世界まで・・・。

山本
 韓国の人たちはガンガン世界行きますからね。どこにそんなお金があるのか・・・。


 国の支援とかもすごいんやろうね。そもそもマジック大学があるぐらいやし。


¶ 阪大ニューズレターが親戚中に・・・

――お二人は、学部学科は?

山本
 僕は基礎工の電子物理学科です。
 奇術研は基礎工多いんですけど、電物は上にもあまりいないですね。


 僕は、理学部生物学科です。
 福田さんは化学なんですけど、研究室が隣で。
 で、正面の研究室に西さんがいて、その隣には岸さん(※47期 岸香苗さん:39回ハト演者)が。
 なので、同じ廊下に4人奇術研がいます(笑)。

――なんか濃いフロアだ(笑)。博士課程に行くつもりは?


 まだ分かりませんが、行くかもしれないです。

山本
 僕は行かないです。就職します。

――就職したらどのあたりに行きたいとかはあります?

山本
 さすがにちょっとまだ分かりません。
 いろいろやってみたいことはありますが。


 僕は海外へ行けるところがいいですね。日本でぬるぬるとやるのは嫌なんで。

――やっぱり社会人になっても手品は続けますか?


 やりますね。

山本
 ここまで深みにはまったら一生やるでしょう(笑)。

――今回の出場に関して、親御さんの反応はどんな?

山本
 いやもう、すごい応援してくれてます。
 母が親戚じゅうに僕らが載った阪大ニューズレター配りまくってますから(笑)。

――ああ、あれを(笑)。


 あれ、実はFISM ASIA前に取材受けたんですけど、
 冊子が出る前に何とか出場は決まって伝えたんです。
 本にはFISMへ向けての決意を語ってるように書かれてるんですが、実はFISM ASIAに向けての話なんです。

――じゃあもし予選落ちだったら、境さんの取材分はカットだったかもしれないと(笑)。


 そうです(笑)。

――高校までの友達とかにも話してるんですか?

山本
 いやー、言っても分かんないですしね。
 同窓会で、日本代表になったよということは言ったんですけど、「へーすげー」ぐらいの反応で(笑)。


 あんまりすごさが伝わらないんですよね。
 もっと日本でもテレビとかでバンバン言ってくれたらいいのに。

――ぜひ上位入賞目指して、その名を日本中に轟かせてください。
  本日は、どうもありがとうございました。

山本
 ありがとうございました。


 ありがとうございました。

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